REPORT
    世界の取引所を取り巻く状況:課題の中のビジネスチャンス
    12th December 2016
    KEY RESEARCH QUESTIONS
    1取引所に影響を与える変化を促す主な要因とは何か?

    2

    市場の変化は取引所の参加者にどのような影響を及ぼしているか?
    3

    取引所は市場の変化や課題にいかに対応していくべきか?

    資本市場では規制および市場構造の変化が従来の市場慣行を揺るがしつつあり、それに伴い市場参加者の役割も塗り替えられつつあります。取引所がこうした変化の激しい環境下で競争力を維持するためには、市場の変化に後れを取ることなく、状況の変化に合わせてサービスや価値提案を採用することが求められます。

    景気の不透明感を背景に、取引所における上場および取引活動は頭打ちとなっています。一方、マルチアセット運用やパッシブ運用を選好する動きが広がっており、新たな商品や資産クラスへのニーズが生まれています。セルサイドはマーケット・メイキング業務における役割が低下しつつあることを受け、執行ビジネスに軸足を移さざるを得なくなっています。その穴を埋める存在としてバイサイドが流動性供給者としての役割を担うようになり、彼らの投資戦略やアクセスへのニーズが高まっています。

    企業は、代替的な資金調達の場を求めています。地方市場への進出とこれらの市場の洗練度の向上、商品および市場の拡大、生の価格情報にとどまらないデータサービスの向上、従来の接続ツールを超える先進的なテクノロジーソリューションの開発、国境を越えた事業拡大などにより、収益拡大のチャンスが開けるでしょう。

    「デリバティブ改革は、集中決済や取引所で取引される投資商品に資本を集める手法を変えつつあります。取引所グループの多くは新たな取引、決済および担保管理ソリューションを開発するなど、こうしたチャンスを生かすための取り組みを積極的に進めています」と証券プラクティスのアナリスト、アリン・レイは述べています。