「マイクロサービス」の開発方法論は、ウェブサービスが普及しフィンテック連携が叫ばれる今日の環境と極めて親和性が高いものです。高度に統合されたモノリシック(一枚岩)な日本の銀行勘定系は、メガバンクの自営システムであれ、地域銀行の共同システムであれ、そのコンセプト、開発・運用・保守の実際において、この革新的なアーキテクチャの対極にあります。
システムとビジネスの「モジュール化」によるアーキテクチャ革命については、本シリーズPart1(「デジタルトランスフォーメーション:新銀行業モデルの創生」)において議論しました。本稿では、その実装上のヒントとして、「ネットワークコミュニティ」の効用について論じています。「マイクロサービス」の源流にある、UNIXやLinuxのビジネスモデル、フリーソフトウェアからオープンソースへの潮流は、現代の銀行業界が直面するデジタル・コミュニティとの連携や、そこでの新たな顧客関係の構築に様々な示唆をもたらすでしょう。
