戦略的資本:自己資本比率をめぐる規制への現実的な方策
2012/12/14
REPORT PREVIOUSLY PUBLISHED BY OLIVER WYMAN
Abstract
オリバーワイマン既刊レポート
米国では銀行の自己資本比率の適正性を判断するストレステストの主な方法として包括的資本分析(CCAR)が義務づけられ、金融機関が自己資本の測定とリスク管理を行うための新しい複雑な枠組みが構築されました。新たなストレステストでは、経済的資本やバーゼル規制で定められた資本をはじめとする従来の方法に比べて、自己資本の適正性をより現実的に把握することが可能になると思われます。一方、銀行の経営陣は、ストレステストの結果を社内の意思決定にいかに反映させるか、経済的資本から包括的資本に移行すべきか、FRBが主導するストレステスト基準の不透明な部分にいかに対応するかといった難しい判断を迫られるようになっています。
オリバー・ワイマンのレポート「戦略的資本:自己資本比率をめぐる規制への現実的な方策」は、銀行がリスク測定の進展に向けて主導権を取り戻すためには、ストレステストを通じてリスクおよび資本を銀行主導の視点から把握する「戦略的資本」を策定することが望ましいと提言しています。戦略的資本は、多くのケースで従来の経済的資本の代替手段として利用可能ですが、完全にこれに取って代わるものではありません。最も重要なのは、これを利用することで、経営幹部がCCARの過程で課せられた現実的な制約に合わせて経済的な意思決定を行えるようになることでしょう。