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コロナ禍、デジタル化および世界経済が生命保険分野のアウトソーシングに及ぼした影響

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2021/05/04

2021年 世界の生命保険向けBPO市場の分析

Abstract

コロナ禍は世界の生命保険業界に様々な課題を突き付けたが、それらはチャンスでもある。新たな社会的現実や顧客ニーズが生まれたことで、保険会社は今こそデジタル化とアジャイル手法の導入に向けたトランスフォーメーションを迫られている。その変革の過程では、保険会社の本質的価値提案、販売手法、人員戦略、データおよびテクノロジー環境の変革をすべて同時進行させる必要がある。多くの保険会社にとって、こうしたトランスフォーメーションを全て自力で完了させることは難しい。保険分野のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)またはサードパーティ・アドミニストレーション(TPA)は、変革の目標を達成するための能力を提供できる可能性がある。

生命保険会社の多くはいまだ旧態依然としたIT環境を抱え、身動きが取れない状況にある。パンデミックによって問題はさらに深刻化している。そこで保険各社は新たな業務モデルを探し始め、結果的にサービスプロバイダーと提携してデジタル化とアジャイル開発の導入を推し進めるようになった。BPO/TPAサービス市場のサービスプロバイダーは、業務改善を目指して自動化ソリューションを独自に構築してきた。その多くは独自のBPaaS(サービスとしてのビジネスプロセス)テクノロジーを用いているが、外部のソリューションが使われることもある。業務受託するベンダーが顧客である保険会社の課題解決に貢献するためには、最良の業務慣行およびプロセスの一部を提供することが不可欠である。

本レポートではBPOサービスプロバイダーへの取材をもとに保険のコア業務におけるBPOサービスの利用状況を分析しており、世界の生命保険向けBPO市場をめぐる議論に一石を投じる内容となっている。世界各地の保険向けBPOの現状を把握するため、セレントは保険会社にBPOやその他のサービスを提供している270の企業に調査への参加を呼び掛けた。その結果、生命・損害保険のいずれかを手掛けるベンダー16社から643の案件に関するデータを得ることができた。このレポートでは、生命保険分野に焦点を当てる。