DBS Bankはアジア太平洋地域最大手の銀行の1つであり、長年にわたりイノベーションに定評がある。銀行業務におけるAIの普及に伴い、同行はAIを組織全体に大規模に適用し、「AI駆動型」の銀行になることを目指した。
世界中の銀行で、AIと機械学習(ML)を活用したソリューションが実現している。多くの銀行が、AIソリューションの次の波を成長と差別化への戦略と捉えている。しかし、データエンジニアリング、監督と報告の責務、拡張可能なモデルガバナンスへの多大な努力なくして、AIの可能性を大規模に実現することはできない。
DBSはデジタルトランスフォーメーションを推進するうえでデータを重要な差別化要因としてきた。2023年だけを見ても、同行のAI/MLのユースケースは、増収または費用削減として約2億7,590万米ドル (3億7,000万シンガポールドル) の経済価値を生み出している。この成功は、AI産業化プログラムおよびデータと分析にもとづく価値の最大化に焦点を当てた同行の強力なデータ駆動型の戦略によって達成された。当プログラムは、一元化されたフレームワーク、機能、ツール等を同行の各部門に提供することで、各事業部門でデータ駆動型のイノベーションに自主性を生み出すことを目的としている。
セレントはモデルバンクアワード2024 AIの産業化部門でDBSを選出した。受賞理由は、優れた能力で同行全体のデータ/ AI戦略を早い段階で構想・計画・実行し、プラスの経済的価値を生み出したことである。