FinTechパワーと金融の明日

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18 October 2015
Eiichiro Yanagawa

今秋も、カンファレンスシーズンの真っ最中。世界各地で金融サービスとテクノロジーを語るイベントが続く。セレントは、欧州で、米州で、そしてアジアで、各地のソートリーダーと様々なラウンドテーブルを囲み、金融サービスとFinTechパワーの行方を議論している。

先日の日経シンポジウムにおける、日本の金融トップの講演では、共通する3つのキーワード:「グローバリゼーション」、「アセットマネージメント」、そして「FinTech」が印象的であった。セレントのソートリーダーシップも正にそこにあり、多数のリサーチレポートを発刊している。本稿ではその一端を紹介する。

① グローバリゼーション:
金融に限らず、日系資本のグローバル展開が加速を続けている。そこでは新たなガバナンスモデルの構築が成功の鍵である。それは人に依存し、往々にして経年と共に劣化する。「見えない大陸」で、永続する事業を統治することが果たして可能か?ビジネスとITが表裏一体である装置産業において、両者を切り離したガバナンスは成立しない。また、レガシー・モダナイゼーションITガバナンスは、世界規模での構想と実施が求められる。金融機関の多国籍企業化は進展するも、金融サービスは元より地域固有性が高い。アウトバウンドM&Aで獲得すべきものは、金融資産、顧客関係、そして人材。構築すべきものは現代化された事業基盤と企業統治モデルである。

② アセットマネージメント:
日本の金融サービスが、本格的な資産運用業務の強化に挑む上で、投資運用の自動化(ロボアドバイザー)の技術が肝要である。従来は人の介在を必要としていたフロントエンドの業務プロセス(リバランス、モニタリング、パフォーマンス評価、報告など)の自動化によって、中間事業者を排し、実現利益の全てが顧客へ提供可能となる。IoT、AI、そしてスマートロボットといったテクノロジーの普及は、金融サービスの利用者、提供者双方の行動様式を革新する。真っ先に、金融サービスの接客とワークスタイルの革命が期待される。テクノロジーが創造的に既存の産業構造を破壊する、正に産業革命の予感がある。勿論、日本の金融業界においても、その挑戦は着手されている。

③ FinTech:
ブロックチェーンの技術は、ビットコインに代表される仮想通貨のみならず、サイバー空間の新たな信頼関係を構築する可能性を秘める。金融分野でのユースケースとして、銀行間決済基盤(日銀ネット、全銀システムなど)、証券取引市場基盤(取引所、清算機関、証券発行流通制度を含む)、クレジットカード決済基盤、国際送金などが想定され、スタートアップのみならずグローバルメジャーな金融機関が自ら、R&Dに取り組む分野となりつつある。

グローバルな「金融の未来図」は、数年単位での革新を繰り返してきた。そこでのディスラプションは金融機関、金融業界の既成秩序をも対象とし、常に、ディスラプターはそのテクノロジーの破壊力を熟知し、自ら実証した企業家である。日本の金融未来図も、もはやそうしたグローバル競争の渦中にある。グローバルな環境では、デジタルテクノロジーは金融機関や金融業界以上に、広く消費者に普及し、様々な変化の誘因となっている。日本市場にも、早晩、そのTUNAMIは伝播する。

11月の東京イベント、イノベーションフォーラムにご参加下さい。
ブロックチェーン2.0とロボアドバイザーを専門分野とするアナリストの講演、業界内外のソートリーダーを交えたディスカッションを通して、皆様と共に、「金融の明日」を構想します。皆様のご意見をお寄せ下さい。

消費者のデジタル行動

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出典:セレント、日米における金融サービス&イノベーションに関する消費者意識調査(2015年5月)

Insight details

Content Type
Blogs
Location
Asia-Pacific