保険会社にとって変革の課題は市場投入までのスピードであり、一般に組織のアジリティは新製品開発には適していない。その理由としては、従来からのインフラストラクチャ、組織全体にわたる機能的サイロ、規制当局の承認、リーダーシップ不足、変化に適した文化の欠如など、いくつかの要因がある。保険業界がデジタル化への取り組みを加速させ、テクノロジーとともに消費者の期待も変化し続けていることから、保険会社の課題も高まる一方である。

しかし幸いなことに、まさに保険会社によるイノベーション成功体験の一例であるAmerisureのような事例が存在する。Amerisureがそれを成し遂げたのは、創造的であり連携に優れていたこと、戦略的パートナーシップを確立したこと、そして上層部からサポートを得ていたことによる。

当レポートで紹介しているAmerisureの取り組みは、野心的なビジネス目標を達成するためにデジタル技術と製品開発をうまく連携させた完璧な例であろう。このプログラムでは、テクノロジーのために会社全体のリソースを活用したほか、外部とのパートナーシップも活用した。その結果、Amerisureは米国市場での事業拡大に向け柔軟性とスピードを得ることができた。