ダイレクト・インデクシングとは、個人投資家が株式のバスケットまたはインデックスを構成する個々の銘柄を所有する投資手法である。そのカスタマイズされたインデックスまたはポートフォリオの内容には、インデックス (S&P 500など) 構成が反映されており、リスク許容度、ESGへの関心、税金の最適化など特定のエクスポージャーに対する投資家の嗜好も反映されている。すべての投資家のために設計されたプラグ・アンド・プレイ型のポートフォリオではなく、その投資家独自のものである。

ダイレクト・インデクシングは、基礎となる個別証券を購入することでインデックスを複製するため、カスタマイズされたポートフォリオ構成と節税対策が可能となる。

ダイレクト・インデクシングは新しいものではない。この用語(「ダイレクト・インデクシング」)は、「SMA」(Separately Managed Accounts：個別管理アカウント)をリニューアルしたものである。ポートフォリオ構成のカスタマイズは、その作成と所有に費用がかかることから主に超富裕層 (UHNW) および富裕層 (HNW) 向けではあったが、すでに何十年も前から行われてきた。何が新しいかと言えば、より幅広い顧客層 (例えば大衆富裕層(MA)) がカスタマイズされたポートフォリオにアクセスできるようになったこと、そしてすべての投資家を対象に、これまで以上にカスタマイズされたポートフォリオを作成できるようになったことだ。

次回のレポートでは、成熟したテクノロジーの適用がどのようにして業界に大きな変化を促し、最終的にアセットマネジャー、ウェルスマネジャー、個人投資家らに大きな影響をもたらすかについて解き明かす。