2025年は引き続き、リテール・バンキングが新たな変化とチャンスに直面する年となりそうである。技術部門の予算は平均5％以上増加すると予想され、金融機関は組織全体の効率性向上を促進しながら、より充実した商品や顧客体験の提供を目指すことが重要となる。

次世代バンキングの基盤構築はますます優先的になっており、どのように銀行が簡素化や近代化、レジリエンスの実現を成し遂げるかによって、今後の競争環境の形が決まることになる。実際に、正しいテクノロジーを選択したか否かによる影響が、かつてないほどに大きくなっている。現在、パブリッククラウド、最新のデータプラットフォーム、サイバーセキュリティ、多様なAIなどが、業界における最優先のテクノロジー投資分野として挙げられるが、2025年もこの傾向は続くと予測される。

2025年にも続くであろう厳しい経営状況の中でこれらの変化を実現することが必要である。経済の安定化は望ましいことだが、金利低下が続くと結果としてマージンが縮小する。さらに、政治的な不安が残っており、消費者や企業の行動に悪影響を与える可能性も残っている。また、銀行には、ますます厳しくなるコンプライアンス対応と成長戦略とのバランスを取ることが求められる。今後もレジリエンス、セキュリティ、ペイメント、データ、AIなどのさまざまな要素を網羅する技術の導入の必要性は、多大なリソースの消費につながる。

セレントは2025年に業界を賑わすであろう5つのビジネスとテクノロジーのトレンドを割り出した。セレントの2025年リサーチアジェンダで、各トレンドについてさらに詳しく説明している。