企業と銀行間のAPIベース接続:リアルタイムの財務・決済を可能にする接続方法
Abstract
グローバルに事業を拡大し経営に必要な店舗数や口座数を増やしている企業にとって、企業と銀行とのチャネル接続は重要なイネーブラーである。これまで企業は、銀行ポータル、モバイルアプリ、ホスト間ファイル、国内ネットワーク、SWIFTネットワークなど、さまざまな統合方法を利用して財務データのやりとりを行ってきた。しかしここ数年、銀行の顧客向けに新たな接続チャネルとしてAPIが登場し、企業と取引銀行との間で自動化されリアルタイムの埋込型データフローを実現している。
セレントは、APIが実現する接続の主なユースケースとして、1) マルチバンク接続とデータ集約、2) ERP、TMS、会計ソフトウェアの統合の2つを特定した。
次に、ソリューションプロバイダー市場を調査し、小規模なスタートアップから大手の上場企業まで世界中のベンダー16社を特定し、プロファイリングを行った。各ユースケースをサポートしているプロバイダーは複数いるが、ERPやTMSとの統合により注力するプロバイダーもいれば、決済自動化の実現やマルチバンク接続に特化したプロバイダーもいる。
セレントが推奨するのは、銀行や顧客セグメントに応じてパートナーシップモデルおよびソリューションプロバイダーを使い分けることである。企業と銀行間の接続状況を見ると、ひとつ明らかなことがある。それは今こそAPI製品とチャネル戦略を策定すべき時だということである。企業のデジタルチャネルセグメントに対するセレントの深い専門知識は、貴社が好機を分析し説得力あるビジネスケースを構築するのに役立つはずである。
本レポートにてソリューションのプロファイル対象となった企業は以下の通り。AccessPay、Cobase、Fides Treasury Services、FinLync、FISPAN、GTreasury、Isabel Group、Kyriba、Modern Treasury、Ninth Wave、SAP、SIX BBS AG、Starfish Digital、Treasury Intelligence Solutions (TIS)、Trovata、Volante Technologies