アジア太平洋地域の銀行業界は、2025年に入っても進化を続けている。金融機関は現在、経済の不透明感や競争の激化、コンプライアンス対応の強化、社内業務の改善など、さまざまな側面からのプレッシャーにさらされている。さらに、「より良いサービスを低価格でより速く」という求める顧客の声も大きくなる一方である。また、組織内では、商品イノベーションと利益マージン増加を目指しながら、レガシーシステムの近代化、プロセスのストリームライン化、従業員たちのスキルアップも実践することが求められている。
この調査から分かったこと:
- 事業の運営環境は依然として厳しい状況にある。地域全体では、12カ月前よりも顧客獲得と顧客維持が難しくなっていると答えた銀行が56%を占めた。
- アジア太平洋地域の銀行にとっての最重要課題は「商品開発」である。合計49%の銀行が、商品とサービスの強化のための投資が、テクノロジー戦略の最も重要な要因3つうちの1つだと答えている。
- これに対応して、テクノロジー予算の伸びが増えている。経営幹部を対象としたセレントのDimensions調査では、今年のIT支出が平均6.1%増加すると予測されている。しかし、米国政府の関税政策を原因とする経済混乱の可能性を考慮すると、この予測は変わるかも知れない。
- 「デジタル口座開設」が2025年の最優先事項として挙げられるようになっているが、アジア太平洋地域も例外ではなく、44%の銀行がこれを最重要分野だとしている。さらに、デジタルチャネルへの投資、決済とカードにおけるイノベーション、融資商品と融資プラットフォームの近代化も重要課題として示された。
- これらの基盤となるのが、AI技術への投資増加で、アジア太平洋地域の銀行の33%がこれを技術投資における最大の分野だと答えている。この技術投資は、フロントオフィスからミドルオフィス、バックオフィスにいたる銀行全体のさまざまな業務をサポートすると考えられる。生成AIは、組織全体におけるデータ活用の拡大に関する幅広い取り組みに欠かせない要素で、この地域における銀行の69%が2025年にAI技術を活用した顧客向けサービスの開始を計画していると答えている。
