ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ

ニューヨーク証券取引所（NYSE）における電子発注システム（EOB）の市場シェアは、今年5月に行った前回の四半期調査時の55%から58%に上昇しました。一方、スペシャリストとDMMのシェアは33%から32%へとわずかに低下し、マーケットメーカーも11%から9%にシェアを落としています。

セレントの最新レポート「ニューヨーク証券取引所の注文執行クオリティ」は、2012年7月1日から9月30日までの間に執行された120億件を超える売買注文の分析結果をまとめたものです。セレント証券グループ・シニアアナリストのアンシュマン・ジャスワルが、155の市場参加者の注文執行スピードと約定価格に関する調査の結果に基づき、これらをランク付けしています。

注文執行スピードと約定価格の改善の両方でランキングの上位を占めたのはNYSE ArcaとBATS Exchangeの2つのマーケットセンターで、BATS Y-Exchangeも高く評価されています。これらは前回の調査でも上位にランクされていました。そのほかBarclays Specialists、Getco Securitiesやゴールドマン・サックス、ナスダックMCもランクインしています。

表1はEOBの総合ランキングを示しています。約定価格の改善ではナスダックMC、EDGX ExchangeおよびNYSE Arcaが上位を占め、注文執行スピードではEDGX Exchange、NYSE ArcaおよびBATS Exchangeがトップにランクされました。これらの2つを合わせた総合ランキングではEDGX Exchange、NYSE ArcaとBATS Exchangeがトップ3となっています。

表 1: 主要EOBのランキング

表2はマーケットメーカーのランキングを示すもので、約定価格の改善ではCitadel Derivatives、UBS証券とE*Trade Capitalが、注文執行スピードでもこの3社が上位にランクされています。この結果、総合ランキングでもこれらがトップ3を占めています。

表 2: 主要マーケットメーカーのランキング

スペシャリストとDMMについては、バークレイズ・キャピタル、Getco Securitiesおよびゴールドマン・サックスが約定価格の改善で高く評価されました。この3社は注文執行の平均スピードでもランキングの上位を占めました。

表 3: NYSE スペシャリスト/DMMのランキング

本レポートは38p、25図と9表で構成されています。