WELLS FARGO：提携企業のエクスペリエンスを通じた金融商品の提供

現代の銀行サービスは、様々な金融サービスを必要とするカスタマージャーニーに組み込まれた金融サービスを通じて、ますますオープンに提供されるようになっている。顧客が決済やファイナンスといった金融サービスに対する自身のニーズを自覚するのは、買い物やサービスの予約など他のエクスペリエンスに関連して必要性が生じたときである。こうした中、Banking-as-a-Service(BaaS：サービスとしての銀行)の提供により可能になるエンベデッド・ファイナンス(埋込型金融)のビジネス・モデルは、多くのブランド企業(業界を問わず)だけでなく、こうした企業と提携する銀行にとっても大きな機会となっている。

Wells Fargoは、SDKと一連のAPIを構築し、提携企業がトランザクション・フローにクレジットカード・アプリケーションを組み込めるようにすることで、エンベデッド・ファイナンスの機会を活用している。この共同ブランド・クレジットカードSDKにより、提携する販売会社は、例えばショッピングカートをチェックアウトする際など、必要な時にクレジットをデジタルエクスペリエンスにシームレスに統合し、提供することが容易になる。

これは、提携企業が自社のコンテキストに金融商品を容易に統合する方法を実証した革新的なアプローチとみられる。また、すべての当事者にとってウィン・ウィン・ウィンのソリューションである。つまり、顧客にとってはクレジットが必要なときに簡単に申請し、すぐに使用できる選択肢が提供され、提携先の販売会社は顧客が購入を諦める「カート・アバンダンメント」の事例を減らして売上を伸ばすことができ、銀行は新たな顧客を獲得できる。

今後数年で、提携企業が提供するエクスペリエンスに金融サービスを埋め込むことを目指した銀行の事例はさらに増えることが予想される。Wells Fargoはこの分野のパイオニア企業の一つであり、セレント・モデルバンク・アワード2021のエンベデッド・ファイナンス部門を受賞するに値する。

下記リンク先をクリックすると、Wells Fargoのオープン・バンキング部門EVPであるImran Haider氏と、セレントのリテール・バンキング責任者Zil Bareisisの対談を動画で視聴できる。また、バンキングレポートのサブスクリプション会員は、詳細なケース・スタディのPDFをダウンロードすることも可能。