成功のための設計:保険会社に求められる代理店向けツールの必須機能
Abstract
保険会社が代理店の様々なニーズに効果的に対応するためには、多数のツールをサポートする必要があります。
保険会社は、代理店向け支援ツールの構築において、途方もなく大きな課題に直面しています。「問題は、代理店のニーズがあらゆる範囲に及んでいることです」と指摘するのは、セレントのシニアアナリストで最新レポート「成功のための設計:保険会社に求められる代理店向けツールの必須機能」の執筆者であるクレイグ・ウェーバーです。「どの代理店も声をそろえて必要だと言うのは、データアクセスのし易さ、効率性、保険会社との緊密なコミュニケーションです。しかし、こうした要素を満たすツールに関する選好のあり方は、代理店によって千差万別です。」
ウェーバーが指摘するのは、保険会社の独自システム、複数の保険会社の共通ツール、そして電話・ファックスのような従来型ツールなどには、それを好んで利用するそれぞれのユーザーが存在するということです。「1つの代理店でも、全く同じ業務をこなすのに日によって異なるツールを利用しがちというようなこともあります。このため保険会社は、コスト制約の範囲内で、可能な限り幅広い種類のツールを提供する必要があります」とウェーバーは付け加えています。
本レポートは、2006年2月セレント実施の独立系代理店を対象にしたオンライン調査結果に基づいています。主な論点は以下の通りです。
情報アクセスが重要テーマ: 代理店は、いつでも必要な時に業務が遂行できるように、24時間365日「常に」対応可能なシステムを求めています。また、独自のハードウェアやソフトウェアを使わなくてもアクセス可能な自由度の高いウェブ対応システムも望んでいます。
日常業務のパターンに適応したコミュニケーションツールが不可欠: テクノロジーを支援する上で、一つのシステムで全てのニーズに対応することは不可能です。代理店によって業務手順が異なるため、保険会社が支援すべきツールも多岐にわたります。最も顕著な例としては、電話やファックスも活用されていますが、コミュニケーションツールとして電子メールが求められていることです。代理店は、保険会社が自分たちの業務習慣に合ったツールを提供してくれることを望んでいます。しかも、業務に必要な情報を備えたシステムというよりも、多くの場合電子メールのやり取りといった日常の業務習慣に対応することを求めているのです。
効率性は重要な関心事項だが、それがすべてではない: 今回の調査結果では、業界の共通テーマが再確認されました。それは、代理店にとって「データ再入力」が最も煩わしい作業の1つだということです。しかしながら、代理店は多岐にわたるツールを利用または選好しており、このことから、彼らが豊富な機能を備えた単一保険会社の独自システムと操作のし易い共通システム間のトレードオフを理解していることがうかがえます。保険会社は、いずれのシステムにもそれぞれ用途があり、代理店側も二者択一を望んでいる訳ではないということを心得るべきでしょう。