世界的な信用危機が欧州のウェルスマネジメント業界に及ぼす影響

金融の安定化をめぐる不透明感、商品やサービスに対する内需の減退、インフレ懸念、その他の要因を受け、世界経済は危機的状況にあります。ウェルスマネジメント業界も少なからずその影響を受けるでしょう。

欧州の銀行および信用システムは金融危機による深刻な打撃を受けており、今後さらに状況が悪化する可能性があります。北米で発生したサブプライム問題は、あらゆる金融商品、市場および地域に大幅な悪影響を及ぼしました。欧州各国の政府は金融混乱に全力で立ち向かう構えを見せていますが、景気減速に伴いその実現は極めて困難となっています。

セレントの最新レポート「世界的な信用危機が欧州のウェルスマネジメント業界に及ぼす影響」は、現在の信用危機が欧州のウェルスマネジメント業界にもたらした複雑な問題について考察しています。

このレポートの主な論点は以下の通りです。

• 欧州の投資家にとって、今回の危機は高リスク資産から、顧客に信頼感を与え、個人的な投資アドバイスの経験が豊富なウェルスマネジメントサービスのプロバイダーへのシフトを促すものである。
• 欧州各国の政府は、危機による影響を減殺するため全力で取り組んでいる。にもかかわらず、欧州市場では流動性が低下し、金融市場全体に悲観論が蔓延している。
• 欧州各国の間では、金融市場全体の成熟度によって危機がもたらす影響が異なっている。一般に、成熟度の高い西欧諸国の方が危機に伴う悪影響が大きくなっている。
• 投資家が選好する商品をみると、複雑な商品から低リスク商品への劇的なシフトが起きている。
• 市場の再編が進む中、プロバイダーは付加価値サービスの提供、運用資産の拡大、顧客獲得・維持を実現するための有効なテクノロジー利用に注力するとみられる。

「市場のグローバル化が進んだ現状においては、大幅な金融不安があらゆる市場に波及しています。世界が激変し強い不透明感が全ての顧客セグメントに広がったことで、あらゆる金融商品に対する投資家の信頼感が低下しています」とセレントのシニアアナリストでレポートを執筆したイザベラ・フォンセカは述べています。

本レポートは24図と4表を含む全52ページで構成されています。