Tokyo, Japan
April 30, 2008
(このレポートは2008430日に日本語で発表されましたが、英訳版が200873日に発行されました。)

【日本語レポート】
シンクライアント:
BCP/ BCMに利用できるか?

セレント発行レポート

BCP/ BCMの一環として、ユーザーアクセスの確保が課題として浮上し始めています。シンクライアントはその解決策として関心を集めつつあります。また、別の選択肢として仮想化デスクトップもあり、場面によってはシンクライアントよりも適している場合があります。

国内の一部の金融機関では、シンクライアントを
BCP/ BCMのクライアントアクセスに利用することを検討しはじめています。しかし、BCP/ BCMにおけるシンクライアントの利用は限定的になる見通しです。シンクライアントはセカンダリーオフィスやバックアップサイトでのユーザーアクセス確保という点では有効な選択肢となり得ますが、従業員、パートナーや契約社員が自宅などからリモートアクセスする手段としては現実的ではないでしょう。自宅などからのリモートアクセスには、むしろ仮想化デスクトップの導入の方が金融機関にとってコストおよび運用を考慮しても有効な選択肢と言えます。

シンクライアントには、現在4つのモデルが存在します。ブレードPC、ブレードサーバ、バーチャルPC、ネットワーク方式から自社の要件に応じて最適なモデルを選択可能です。これに加えて、ユーザーアクセスを確保する手段としてはSSL-VPNを利用した仮想化デスクトップもあります。いずれも企業のBCP/ BCMに応じた慎重な検討・採用が求められます。

「BCP/ BCMの重要性が高まりつつある今、ユーザーアクセスを確保する手段としてシンクライアントが注目され始めています。しかし、シンクライアントは万能ではなく、リモートアクセスには仮想化デスクトップが適している場合もあります。金融機関が求めるアクセシビリティーに応じて採用する手段を吟味し、選択する必要があります。日本は安全な国という日本特有の風潮もあり、国内の大半の金融機関ではまだ危機意識が低いと言えるでしょう。しかし、欧米の金融機関では、各国の監督機関の指針に従って、BCP/ BCMを策定・導入しています。また、大手金融機関、とりわけ世界に拠点を持つ銀行や証券会社でも従来のBCPを充実させるBCM
導入の検討が始まっており、ユーザーアクセスの確保は一つの課題になっています」と セレントのアジアリサーチグループのアナリストで今回のレポートを執筆した万仲 裕美子は述べています。

サーバシステムの仮想化や
Grid化テクノロジーが発展・普及するにつれて、システムの効率化は進みます。現在はOSの管理・運用は非常に煩雑で、システムトラブルの原因にもなっており、それを敬遠する傾向は今後益々強くなると予想されます。サーバの仮想化が本格的に普及すれば、次はクライアント端末の変革が起こるでしょう。システムのあり方が根本から変わるのです。それに従ってBCP/ BCMのあり方も変化していきます。シンクライアントや仮想化デスクトップは、このクライアント環境変革の序章ともいえます。

当レポートは2図2表を含む全26
ページで構成されています。レポートの 目次はオンラインでご覧いただけます。
 

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